子宮頸がん検診は非常に有効であることがわかっており、進行がんを防ぐことにつなげられることで、死亡率を減らせることが証明されています。多くの先進国において、子宮頸がん細胞診による検査が行われています。欧米での子宮がん検診の受診率は高いものとなっていて、18歳以上のアメリカ人女性における受診率は80%以上となっています。一方で、日本では過去1年の間に子宮がん検診を受診した女性は、全体の25%程度と低いものとなっています。

子宮頸がんは粘膜の表面にとどまる上皮内がんと粘膜によって広がる浸潤がんからなります。上皮内がんを含む子宮頸がんの発症率は、50歳以上の年代では最近20年間で徐々に減っている特徴がありますが、その反面として20歳代においては急激に増加している傾向があります。子宮頸がんの原因としては、HPVの感染が関係していることがわかっていて、高齢になる他のがんの種類とは違って性活動を活発に行っている世代で感染が増えていると考えられています。子宮頸がんを発見できる有効性の高いがん検診の内容として、子宮頸部細胞診があります。

細胞診では子宮頸部における表面から綿棒によって細胞を採取して、顕微鏡を使って検査を行います。子宮頸がん検診を受診した人のうちのおよそ1%が精密検査が必要という診断結果がでて、精密検査を受診した人のうちでがんが発見されるのは、そのうちのおよそ10%程度となります。これらのがんのうちの60%は上皮内がんとなっていて、がんを早期に発見することによって大半のケースで子宮を温存した形で治療が可能です。

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